株で儲けたい!と思い立って本を探すと、多くの人がチャート分析の本を買うと思います。
私も何冊も買って読みました。でもその通り勝てたことはほぼありません。
おそらく株取引をしている個人投資家のほとんどはチャートの傾向を見て、あるはずのないサインを自分で勝手に予想して、解釈して買っているからです。
つまりは未来は誰にも予想できないということです。
目次
チャートは結果論
チャート本には株価と平均移動線との関係であったり、チャートの波形パターンであったりを解説している本が多いです。
そして、本には例となるチャートが貼り付けてあり、ほらこうなるでしょ!という構成となっていると思います。
でも皆さん、それで儲けられましたか?
おそらく、ちゃんとその通りに行くこともあれば、行かないこともあると思います。
つまり、本に載っているチャートはその通りに行ったあくまでも一例が載っているだけなのです。
株価を予想することは誰にもできません。
チャートは機関投資家が作っている
前の記事でも口酸っぱく言っていますが、株価を決めているのは数十万とか数百万を取引している個人投資家ではなく、何億も突っ込める機関投資家です。
彼らが株価を決めているということは、チャートも彼らが作っているということが言えます。
するとどうでしょう。
罠として定番のチャートの形を作って個人投資家を集める、さらに、あるチャートの形になった瞬間に定石とは逆の形を作ることができるのです。
全ては作られていることを忘れないでください。
罠とは何か
さて、罠とは何かというと、有名なチャートの波形にして個人投資家の注目を集め、買いを集めます。そこで何億ものお金で空売りを仕掛けて株価を下げます。そうすると個人投資家からお金を巻き上げることができるのです。
例えば、有名な「W底」という形になり反発すると思って買ったら、上がらずに下がっていったとか、株価が下落して「チャートが平均移動線に触れた」のでここから反発が始まると思って買ったら、さらに急激に下がっていったとか、「定石とは逆の動き」を体験したことがあると思います。
不思議なことに、急激な下落で焦って売ったと思ったら、逆に数日後、定石通りに反発し、売らなければ良かったと後悔をしたはずです。
株ではあまり聞きませんが、FXではよく「ダマシ」と呼ばれていて日常的に行われています。
いわゆる「自分の行動を誰かに見られている」という気分になるやつです。
しかし、現実は見られているのではなく、ただ罠にかけたら予想通りあなたが動いてくれたというだけのことなのです。
チャート本は少し俯瞰で見ている現実
チャート解説本に載っていることは実際に起きている真実ですが、自分でやるとなるとそう簡単ではありません。
今日は良くても明日はどうなるかわからないという不安があります。それが実際の感想です。
本では書いてあったけれどこのチャートがうまくその形になるか不安になるのです。
なぜそういう感情になるかというと、本に載っているチャートの儲かる波形というのはある程度整えられたものを見ているということです。つまり、1日1日で見るとかなりのガタつきがあり、かなりの上げ下げの振り幅を刻みながらその波形を作っているのです。
上がると思ったら1日に何十円も下げ、次の日には何十円も上げてなんとかその形を作っています。
本に載っている結果を後から見るとなんとも思いませんが、その渦中に自分がお金を投下しているのであればかなり精神的に参ってしまいます。
見るのとやるのは全く世界が違う現実をまず知っておく必要があると感じます。
多くの人は予想とのギャップの焦りを感じ株を損切りさせてしまう方も多いのではないかなと思います。
だから株で勝てる人は少ないのです。チャートの波形やパターンが勝ち負けを決めているのではありません。
人のメンタルの強さが最後に利益を生み出すということが、何冊もチャート本を読んで得られた私の教訓です。