「残業代」というのは実に麻薬のような存在のようです。大企業で若くして年収が高い人は、実は残業しまくっているから高いという現実があります。家を買うのに残業代があるからローンが組めたんだよなという声も聞くぐらいです。
しかし、プロダクションマネージャーやADが務める映像制作会社は多くの場合、「裁量労働制」と「みなし残業労働制」を採用しているため、平日にいくら残業しようが、会社に泊まろうが残業代はつかないというかもう固定給に入っているという仕組みになっています。
でもそんな中でも働き続ける彼ら彼女らは実は幸せなのかもしれません。今回はそんなお話をしていきましょう。
目次
仕組み解説:「裁量労働制」「みなし残業労働制」について
ほとんどの映像制作会社では「裁量労働制」「みなし残業労働制」を採用しています。
例)募集要項:勤務時間10:00〜19:00(休憩時間1時間)月給23万円 固定給45時間分含む
これは「平日は規定の時間よりも長く働こうが、短く働こうが、8時間労働+1時間の残業時間が加算されます。固定給の中にあらかじめ残業代は含んでいますが45時間を超えたら別途支給します。」
という意味になります。
つまり、残業代は給与の中に含まれていて、1日に何時間働こうが、1時間しかつかないことになります。月に平日は20数日しかないので45時間は超えないですね。つまり、残業代はつきません。
休日出勤は残業代扱いになるのですが、振替休暇を取るように指示されますし、酷い会社だと打刻はするなと指導されます。笑
残業代を気にしないことは実はラク
他の残業代が出る会社というのは残業させないように管理するので、上からグチグチ言う、言われる文化が存在するのです。
聞いた話によると、残業代が出る会社の一部にはわざと散歩に出て残業代を稼いでいる人もいるようで、お金のことを考えるとわざと帰らない人も存在するようです。
一方で、映像を作るということは時間がかかります。
ロケ地を探すのにもネットで探し回ったり、ロケハンで1日中走り回ったり、データをコピーするにも、変換するのにも時間がかかります。若手であれば長時間会社にいなければなりません。
待ち時間にも残業代を全部払っていると会社が成り立たないので、このような仕組みになっているのですが、社員としてもしょうがなく会社にいるのに上からぐちぐち言われるのはたまったものではありません。
映像制作会社では残業代という利害関係を考えず済むので。遅くまで残って働いていると「頑張っているな」と周りから評価されます。
純粋に仕事を一生懸命やっている人になれます。残業代が出ないので、気分転換に社外に散歩に出ても何も言われません。
自分のペースで仕事ができるのです。
先輩やプロデューサーからご飯に誘われる
夜10時過ぎまで残っていると先輩やプロデューサーから飲みに誘われることがよくあります。
皆、長時間労働をしても残業代にならないことは承知しているので、会社の経費で美味しいご飯を食べるということをやっています。
大体の映像制作会社は飲食への規制が緩く、社内メンバーでの飲食でも会議費で落としてしまいます。それが打ち合わせでなくてもやります。
つまり、プロジェクト予算内で利益を出せれば、飲食に関しては目を瞑るのが映像業界というものです。
そうすると、プロデューサー行きつけの新人だとどう頑張っても入れない焼肉屋とか高級居酒屋みたいなお店にも連れて行ってくれます。一人5千円以内で食べ放題です。
給料では還元されない分、飲食では還元されるのが映像業界です。
お酒が好きな方は向いていると思いますが、ワークライフバランスを重視される方には苦痛かもしれません。