映像業界はちょっと変。聞きなれない言葉が飛び交います。バブル時代の業界用語はほぼ消え去りましたが、何かとカッコいいたくなる癖はまだ抜けません。ここでは広告業界・映像制作会社で普通に使われているけど一般的には使わない業界用語を集めてみました。
テレビ・広告などの映像系業界に就職したら使いたい有名なものを厳選しました。入社しても「?」とならないことを願います。
目次
バラす
この「バラす」は映像業界に入るとまずよく耳にする意味不明なワードです。
何か秘密を暴露するというような意味ではありません。
意味は「キャンセルする」という意味になります。
用例をあげると、先輩からよく「スタジオをバラしといて」と言われることがあります。
意訳すると、「他にいいスタジオが見つかったから、仮で予約していたスタジオをキャンセルしておいて」という意味になります。
映像業界用語が通じる業者(スタジオや機材レンタル会社など)に「バラシでお願いします」と伝えられるとちょっと業界に踏み入れた感じがして気分が良いでしょう。
「バラす」という言葉を活用していくよりは、「バラシで」と伝えることが多いですね。
テッペン
この言葉は映像業界で働いていなくてもテレビで聞いたことがあるでしょう。有名な業界用語です。
意味は「夜中の12時(午前0時)」です。
映像業界で働くとこの「テッペン」が仕事をする目標の時間になります。
用例としては、「撮影や編集がテッペンを超えそう」みたいな雑談で使うことが多いです。
意訳すると「今日は帰れそうもないな・・・。」という意味も込められています。
おしり(ケツ)
「おしり」「ケツ」という体に関するワードですが、肉体的な意味ではありません。
意味は「タイムリミットがある」ということになります。
意訳すると「次に予定があるので〜にここを出なくてはなりません。」という感じでしょうか。
用例としては「ちょっとおしりがあって」とか「〜さん次にスケジュールがあるみたいで〜時がケツみたいよ」とかですかね。
つながる
「つながる」。さて、何が「つながる」のでしょうか。
映像業界のツラさがもっとも出ている言葉ではないでしょう。
意味は「帰れなかった」です。
つながったのは「日」です。撮影や編集が長引いて家に帰らず日が昇ってしまったら「つながった」状態となります。
会社の椅子などで仮眠をとって、次の日もそのまま出勤です。
もちろん、「2、3日つながる」人も少なくありません。
バミる(2つの意味)
「バミる」という言葉は2つの使い方があります。有名な方から説明します。
意味①「出演者が立つ場所にテープで目印を貼る」
撮影において出演者の立つ位置は非常に重要です。
構図やピントなど良い画を撮影するためにあらかじめ決めておく必要があります。
カメラチェックの際に決めた立ち位置に色のついたテープを貼ることで目印にするわけです。
意味②「スケジュールを(仮で)押さえる」
実は「バミる」にはもう一つ使い方があります。
それは「スケジュールを複数日確保する」というものです。
企画が決まった段階では、撮影日など先のスケジュールは大体「何月の上旬とか下旬」とか何となくは決まっているがはっきりしないことがあります。
そういう場合でもカメラマンやスタイリストなどのスタッフのスケジュールは押さえなければなりません。他に予定を入れられては撮影ができなくなります。
そんな事情があり、「この期間は空けておいてください」というニュアンスになります。
イメージとしてはカレンダーのスケジュールにテープをベタッと貼ってスケジュールを確保しておくイメージでしょうか。
用例としては、PMのあなたにプロデューサーから「カメラマンの〜さんのスケジュールこの日程でバミっといて」と指示があるかもしれません。
仮押さえ(仮予約)
映像業界では「より安く、より良いもの」を好みます。
そんな時によくやるズルイ行為が「仮押さえ」です。
意味は「キャンセルできる予約を取ること」です。
スタジオやロケ地でよくやる事ですが、ADやPMは一つ見つけて終わりではありません。
もっと良い場所を求めてさらに探します。
実は、スタジオやロケ地は取り合い。激戦です。
全部探してから一番良い場所に本予約を取るのでは遅い場合があります。
なので良さそうな場所を見つけたら「仮で予約」を入れます。
この「仮」というのは非常にズルいやり方で、「予約を入れているのにキャンセルが効く予約」となります。
仮予約は皆が入れているので「仮予約の順番待ち」も存在します。
仮予約①の業者が可否の決定を下さないと、仮予約②が先にやりたいと決めてもスケジュールを入れてくれない場合があるので注意しましょう。
しかし一般的な予約の入れ方ではありません。映像業界に慣れている場所でしかできませんので注意が必要です。
個人所有のロケ地で入れた仮予約。オーナーが仮予約の意味がわからずに撮影に来るものだと勘違いしてトラブルになることも少なくありません。
細びき
意味は「ひも」です。
あまり使われなくなってきた印象ですが、映像業界が長い30代以上の人は使うので注意しましょう。