「プロダクションマネージャー」として広告映像制作会社に入社すると、「プロデューサー」を目指すことになります。つまり、映像業界では、「プロデューサー」は「プロダクションマネージャー」を経ないとなれない職業なのです。
ここではプロダクションマネージャー(PM)とプロデューサー(P)の違いについてお話しします。
目次
プロダクションマネージャー(PM)とは
これまでの記事でもお話ししているように、PMは映像作品の最初から最後まで(企画から納品まで)をセッティング、管理する役割の人です。
そしてPMの上にはプロデューサーがいます。
つまり、プロデューサーはPMの仕事の内容、動きが分からなければなれない職種と言えます。
プロデューサー(P)とは
一方でプロデューサーはどうでしょうか。
PMの仕事の範囲をもう一歩広げます。
すると、「受注から請求まで」を管理統括する人ということになります。
つまり、一般的な言い方をすると「営業」という職種に近くなってきます。
その仕事を獲得してくるのは社長とか偉い人ではなく、プロデューサーが獲ってくるのです。
それまでにもちろん接待もあります。
広告業界は飲食にお金を使うことでも有名ですので、残念ながらお酒が飲める人の方が有利です。
もちろん、飲まなくても酔えると豪語できる方は問題ではありません。
PMはPになるためのステップ
もちろん、プロダクションマネージャーのあなたが、映像案件を受注したらプロデューサーを名乗ることができます。
実力があれば早いも遅いもありません。
しかし、入社1年目から営業をしてもおそらく受注はできないでしょう。
忙しくてできもしないのですがね。笑
まずは、プロダクションマネージャーとして映像制作とは何かを叩き込むことが先です。
もしかしたらこれは古い考えなのかもしれませんが、映像業界ではまだ「下積み」が重要視されます。
映像制作が自分一人でこなせるようになって初めて、受注ができるようになります。
そこには色々な要因がありますので解説していきましょう。
いくらで受注すべきなのかという勘
プロデューサーはディレクターから出てくる企画書を見て、制作費がいくらかかるかが一瞬で分からないといけません。
その企画が予算内に可能かどうかを判断するのです。
さらにクライアントに提出する見積書も作成しなければなりません。まだどこにも発注していないのに人件費やロケ地代などにあたりをつけて算出します。
これはプロダクションマネージャー時代に培った費用の感覚があるからこそできる技なのです。
これを通っていない営業は「営業」であり、「プロデューサー」ではありません。
映像制作はボランティアではありません。常に会社から利益を求められています。
企画によっては受注しない方が良い場合もあります。しかし、受注しないという選択ができるのも優秀なプロデューサーにしかできません。
無能なプロデューサーは全てをなんとなく受注し、利益を出せず、PMに降格するか、クビになるかという処分が下されます。
PM時代に培った人脈
プロダクションマネージャーは映像制作の全てを進行管理します。
そうなると全ての調整はPMにのしかかってくるわけです。これが嫌になって辞めていく人は多いのですが、これが人とのコミュニケーションを生みます。
色々な人とコミュニケーションを取る中に、クライアントも当然います。
普段はプロデューサーとやりとりをするのですが、現場などでクライアントの方々と仲良くなると将来的に仕事がやってくる場合があります。
また、クライアントの中には若手の社員が当然います。彼らは会社としてはクライアントですが、中では下っ端です。彼らと一緒に闘った経験があると、その若手たちが成長した暁には仕事を振ってくれるわけです。
よくPM時代は、気づかないうちに営業をしている、と言われます。
PM時代の善い行いはクライアントも見ています。
最初は、自分の上司のプロデューサーに振るまでもない小さな仕事とかを分け与えてくれるのです。そこで結果を出せばより予算のついた案件を与えてくれます。
今はPMだとしても将来のために、日頃の行いに注意して仕事をしましょう。
給与体系
やはりプロデューサーになると給料は上がります。
なぜかというと会社の売り上げを作り上げているからです。
プロデューサーは営業という側面もあるので、その売り上げて応じてインセンティブがつくことがあります。
なので売り上げが上がれば上がるほど給与は上がることにあります。
基本給+インセンティブなので、数億売り上げがあれば年収1千万円も夢ではありません。
プロデューサーになれる人は一握りです。その理由はPM時代にそのほとんどが脱落していくからです。
よほど自分をセーブしない限り体が動くはずですから、億の売り上げは可能なはずです。
実はプロデューサーになってウハウハを目指すのもプロダクションマネージャーの旨味というか、目標ともいえるでしょう。
皆さんも夢を持ってPM時代を耐え抜きましょう。