映像業界は「やりがい搾取」ではないかという疑問があることでしょう。なぜなら映像制作会社に入社した瞬間から帰らない、寝れない、お金がないというある種の「苦」が待っているからです。
そのようなブラックな側面を感じたあなたは「なぜ映像業界を志したのか」をもう一度振り返って見てください。それを「苦」と感じるかあなた次第なのです。
目次
入社3年以内に辞める人はやりがい搾取と感じて辞めていく
入社3年以内で以内で辞める人は「やりがい搾取」という言葉にとらわれる傾向があります。
帰れないし、寝れないし、上司の言葉はきつくてパワハラめいている。
さらに給料はボーナスもない月20数万円。残業はつかないシステム。
もう人を駒のように使っているようにしか見えなくなります。
銀行やメーカーのような普通の就職先と同じ感覚で映像業界を見ている人にとっては、普通は辞めるしかないでしょ!ってなります。
そう感じたら心は病んでいきますので、すぐ退職することをお勧めします。
しかし、入社3年あたりは下働きと先輩として成長する一番大事な時期でもあります。
仕事の本質を何も理解しないまま辞めることになるのです。
勿体無くないですか?
「やりがい搾取」と言う前にまず志望動機をもう一度振り返る
映像制作会社に入社しようとする、もしくは入社して頑張って働いているあなたは必ず採用面接や試験を受けているはずです。
入社するためにその会社の下調べをして、志望動機を考えたはずです。
なぜその会社に入りたかったのでしょうか。
合格通知が来ても内定辞退はできますし、する人ももちろんいますので入らないという選択肢はもちろんありました。
そのチャンスがあったにも関わらず入社を選択した動機を思い出しましょう。
映像制作会社の現実はテレビを見ていればわかるはずですのである程度は覚悟があったはずです。
面接ではほぼ「覚悟」を聞きます。
そこで「覚悟ができている」と言ったのであれば、やりがい搾取と言うのはまだ早いです。
本当に映像が好きで入社したのか
採用面接をしていると、志望動機で「テレビ・映画が好き」というような回答がよく返ってきます。
その「好き」は大半が「観る」方です。
特に学生は「創る」方の「映像が好き」はほぼいません。
ここにギャップがあることは意識しましょう。
あなたの中に「ミーハー」意識が大きいとすぐギブアップしてしまいます。
映像を作りたい人と同じ土俵で働くとかなり悪影響を与えますので、早く辞めましょう。
実はこの仕事が楽しくて仕方がない人もいることを忘れないでください。
仕事に楽しみを見つけられるか
実は、他の仕事、銀行でも商社でもメーカーでも同じことが言えますが、どこに仕事の楽しみをみつけられるかが重要です。
本当にこれは映像業界だけではありません。
例えば、17時の定時で毎日帰れる仕事があります。仕事はつまらないけど残業がないのが好きという人もいますが、一方で働く時間が少なくて自分には物足りないので辞めてしまう人もいます。
映像業界は定時で帰れないが、その時間の中で存分に楽しめる人もいることを忘れないでください。
例えば、飲み代が経費で落ちまくるので毎晩スタッフと飲み歩いている人もいますし、合間にアニメを観たり、ゲームをしたりしている人もいます。
ロケハン各地で美味しいものを食べている人もいます。スタッフ飲食は会議費にできる会社もあるので無料で一番高い物を食べる人もいます。
大手CM制作会社であれば、海外ロケもあるので、旅行好きには楽しくてしょうがないでしょう。
実は価値観が一般と多少ずれていれば、凄く楽しめる業界でもあるのです。
エンタメを「観る側」と「創る・与える側」は全く違う
どの業界でもやめる人は一定数います。
電通や博報堂のような広告代理店に入社してもすぐ辞めてします人もいます。
皆憧れるレコード会社、ソニーミュージックやエイベックス、ユニバーサルミュージックのアーティスト担当もコロコロ変わります。
映像業界だけではありません。
特にエンタメ業界と呼ばれる業界はどこもそうです。
先ほどのレコード会社にエリート入社しても、レコーディングの際は完全にスタジオに缶詰め状態になり、さらにアーティストの食事の手配や送迎、個人的なわがままを聞いて嫌になって辞める人も多くいます。
憧れの業界と言われる会社に入っても辛いことは山ほどあります。
人に楽しみを与えるということは一見華やかに見えて実は苦しいものです。
もちろん、人によって好き嫌いがあるので苦しみ以上の楽しみを見出せない場合は一瞬で心を病みます。
PM・ADの給与や労働環境など、条件面ではやりがい搾取です
ちょっと話がずれたと思いますので、修正していきます。
正直なところ、映像業界はやりがい搾取です。
どう見ても、労働時間に対して、給料は低いです。というか低すぎます。
でも残っている人がいるということは、それを受け入れる人もいるということ。
好きな芸能人に会え、大きなお金をコントロールするやりがい。いつも画面を通して見てきた光景が目の前にある。
なんと素晴らしいことです。
そこにつけ込んでいることも確かです。
プロデューサー以上はかなり給与が高いですから。上層部はなかなか恵まれています。
下に厳しく、上に甘い社会です。
PMやADの給与が30万くらいが当たり前になれば、もっと良い世界が待っているでしょう。
良い人材が集まり、より活気が出てくると思います。
しかし、現実はそうではありません。
それに納得できるかどうか。映像業界は、それを試してくる「やりがい搾取」です。
でも、10年耐えることができれば、もっとレベルの上がった光景が見えるのも事実です。
もちろん、今の自分を守ることを最優先にしてください。自分を守ることは大事です。
辛いと思ったら逃げるのも正解です。
皆さんの参考になれば幸いです。