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【映像業界】フリーランスで働く「メリット」と「デメリット」のお話

近年、映像業界ではMacBookとiPhoneやミラーレス一眼があれば映画が撮れる!仕事ができる!なんて言われますが、あながちそれだけとは限りません。

映像業界で働きたいと考えると「フリーランス」でも食える!と思えてきますが、そこにはメリット、デメリットが存在することをきちんと理解して選択しましょう。

どちらが正解とは限りません。

しかし、自分の生き方、人生プランを明確にしながらフリーランスとして生きていかなければ人生踏み外すこともあるかもしれませんよ。

メリット:仕事を選べる

社員の退職理由でもっとも多いのが、人間関係、長時間労働です。

嫌な上司、プロデューサー、嫌なクライアントからきた仕事でも会社として受けたのであれば、やる以外に選択はありません。

それも何件も掛け持ち、同時進行で行うことが多いので、帰れない、長時間労働が増えます。

寝れないのでさらにストレスが増えます。

その嫌な案件が終わったとしても、あくまでも一つ終わっただけでまた新たな仕事が降ってきます。

会社員なので自分の仕事だけでなく、事務処理や、環境整備、採用の面接に駆り出されたり、意味のない会議に出席しなければなりません。

フリーランスでは、案件が終われば、その会社とはさようなら。

いやであればもう二度と会うこともありません。(収入は減りますが)

メリット:収入が増える

「低賃金」も多い退職の動機となります。

映像業界は基本長時間労働です。

しかし、残業代が出ない仕組み、雇用契約になっている会社が多いので金銭面で不満が出ます。

何日も帰らずに仕事をしても給料は変わりません。さらに3案件ぐらい同時並行しても給料は変わりません。

仕事内容がいくら楽しくても、給料が働いた時間、拘束された時間に見合わないのです。

一方、フリーランスは「1件あたりいくら」という考え方になるので、会社員時代と同じ量の仕事量をこなすと、報酬は3倍くらいにハネ上がります。

さらに現場制作いくら、撮影いくら、編集いくらと細かく請求もできる場合があるので、制作会社でオールマイティーな技術を身につけてフリーになるとかなりの報酬アップが期待できるでしょう。

メリット:専門家になりやすい

会社員だと本職以外に掃除やら、社員教育やら関係ない色々な仕事が舞い込んでくるので、一つのことに集中できません。

ディレクター、カメラマンなど、専門的な分野で働きたいのであればフリーランスはお勧めできます。

会社員だとついついオールマイティーを求められてしまいます。一つのことしかやらない人間は、逆に他の人の仕事を増やすことに繋がると考えられてしまうので歓迎されません。

何か貫き通したいと思うならフリーとして行動してみましょう。

デメリット:新しい技術についていけない

毎年、PCや撮影技術はアップグレードしていきます。さらに扱うデータ量も莫大です。

MacのPCでも3年経過すると、もう処理能力に古さを感じてしまう。もたつきを感じてしまいます。

会社員であれば会社が購入やリース契約をして最新のものにしてくれるので、お金はかかりませんが、フリーランスであれば自費で揃えることになります。

AdobeCCも毎月月額を払わなくてはなりません。

予算のある案件でないと新技術を使えないのも事実です。

仕事の中で覚えることは可能ですが、最新技術、機材はレンタル費用も高額です。

予算のある案件でしか使えませんので、予算のない案件を抱えているフリーだといつまでたっても、同じ機材のまま、一世代前の技術で仕事をしていくことになります。

そうなるといつかのタイミングで時代遅れの人になってしまうでしょう。

デメリット:いつも同じ仲間とつるむ

好きな人と仕事がしたい!と考えるのもフリーランスで仕事をする動機となります。

一方で、好き仲間としか仕事をしない場合、いつもと同じ仕事をすることになります。

代わり映えのしないクライアント。だいたい人にはナワバリがあります。

そうなると、刺激がなくなり向上意欲が無くなる傾向になります。

また、新しい発見、技術、成長のチャンスを失うこともありえます。

フリーになっても人を選びすぎないようにしましょう。

デメリット:主体的に動けない

フリーで大きな仕事を動かすことは難しい。

なぜなら、大きな案件ほど、大きなお金が必要だからです。

一部フリーのプロデューサーはいますが、それはほんの一握りの人。

よって、だいたいフリーランスは会社から発注を受けます。

そうなるとどうでしょう。お金を払う方が立場が上になりませんか。

発注主が気持ちよくなるようなものを作るのが仕事となります。

よほど有名なクリエイターでない限り、そこにあなたの意思はそこまで重要ではないことに気づくはずです。

クライアントから「作業」を求められるようになり、それを受け入れている自分になってしまうでしょう。

デメリット:体が動かなくなったら

フリーは常に体を使い続けます。

いわゆる、撮影助手や照明助手など助手(アシスタント)と言われる職種の方々は、単価が高いですが、ずっと重い機材を運び続けます。

現場一筋で50歳は体力的にできる方は本当に限られます。

一方で、一流と言われるディレクターやカメラマンなどの技師の方々は50歳を過ぎても元気に現場に出られていますので不思議なものです。

貯金はしておきましょう。

デメリット:キャリアアップが難しい

体力的なところと重なる点がありますが、キャリアアップも問題となります。

会社になれば、職位が上がっていきますので、部下ができます。

そうすると自分で汗水垂らして動き回らなくても若い子が仕事をしてくれますので、自分はもっと他のことに集中できます。

さらに映像業界は年功序列も残っていますので、社歴が長いほど偉い。権力を握れる傾向にありますので、フリーよりはだいぶ楽に過ごせるかもしれません。

一方のフリーは何かチャンスを掴まなければ、ずっとそのままです。

何歳になっても若い人と同じことをやり続けることになります。

デメリット:確定申告

フリーになると税金関係の申告も自分で行わなければなりません。

これを怠ると行政機関から延滞金付きで請求がきますので注意が必要になります。

取引のある会社にも、税務署等から連絡が入り、収入があるかどうか調査が入りますので逃げきれませんよ。

結局は自分次第

私が伝えたいのは「自分がどうなりたいか」を考えてからフリーになってほしいという事です。

大学を出たくらいの若いうちは世間をわかっていないので、縛りのない世界に飛び出したい気持ちはわかります。

私からのアドバイスとしては一度会社に入って3年ぐらいフリーランスの生態を探ってから決めるのが一番いいかなと思います。

社員になれば、ああいうフリーになりたいとか、ああはなりたくないとかお手本がたくさんいますので、参考になると思いますよ。

皆さんの参考になれば幸いです。

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